2010年2月号より抜粋
昨年12月最高裁は、NTT西日本の現職と元社員の合計21人が、遠隔地への配置転換を不当として慰謝料などの支払いを求めていた訴訟で、会社の上告を退け17人について合計900万円の支払いを命じた二審判決が確定しました。
不必要な配置転換は許されない
同社は、2001年、51歳以上の社員に子会社での再雇用か、全国異動がある残留か、いずれかを選択させる合理化を行うこととしました。原告となった社員たちは残留し、各地に配置転換されることになったそうです。
大阪高裁の昨年1月の判決では、この配置転換について「配転先での業務内容は単純かつ機械的なものなどで必要性が乏しい。長時間の新幹線通勤や単身赴任をさせてまで行う必要性はなかった」(12月14日共同通信配信)といっています。
配置転換は命じられるか
配置転換とは、長期的な労働者の業務内容の変更や、勤務場所の変更などを行うものです(「長期的」とは一時的な出張の場合などと区別する必要があるからです)。過去の判例では、就業規則に「配置転換を命じることがある」といった定めがあれば、とくに勤務地限定などの約束がない限り、労働者は会社の配置転換の命令に従わなければなりません。
権利の濫用は許されない
今回の判決は、なぜ会社の配置転換の命令が認められなかったのでしょうか。それは、例え会社側に命じる権利があっても「権利の濫用」は許されないということです。
過去の判例では、①必要性の乏しい命令、②不当な動機による命令、③労働者の不利益が大きすぎる命令、などは権利の濫用とされることがあるのです。一部の企業では、例えば退職を強制するためなど、昔からある種の思惑があって労働者を遠方の事業所へ配置転換してきました。しかし、このようなことは許されないのです。
配置転換を有効に実施するには、労働力の適正な配置、業務の能率増進、などの目的が認められ、人選が合理的であり、さらに家族を介護しているなど労働者の家庭事情へ配慮しているかなどを確認してみましょう。


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