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2008年9月号(一部抜粋)


JTB子会社に是正勧告
派遣添乗員のみなし労働時間制は認められず



 本年6月、中央労働基準監督署(東京)は、旅行業界最大手のJTBの100%子会社「JTBサポートインターナショナル」に対し、同社の雇用する派遣添乗員へ「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用は認められないとして、未払いとなっている残業代を支払うよう是正勧告を出しました。
 近年、派遣添乗員が労働基準監督署へ申告する同様のケースが全国で相次いでいるということです。


 「みなし労働時間制」とは、労働基準法(第38条の2)に規定される制度で、労働者が会社の外で業務に従事し、使用者が労働時間を算定しがたいときは、一定の労働時間(通常、所定労働時間)を労働したとみなすことができるものです。

 以前から旅行業界では、派遣添乗員にこの「みなし労働時間制」を適用する慣行があるということです。
 旅行業界に限らず、営業職などにこの制度を適用している企業は少なくありません。平成19年の厚生労働省の調査では、1000人以上規模の企業の2割以上でこの制度を導入しています。
 行政では、昭和63年に「ポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合」は使用者の指揮監督が及んでいるので適用できないと解釈を示していて、携帯電話の普及する現在に果たして適用する余地があるのか疑問視する意見もあります。しかし、行政は平成16年にも、「情報通信機器を活用した在宅勤務」に対して一定の場合はみなし労働時間制を適用できると解釈を示していますから、依然有効な制度と考えることはできるでしょう。
 本件では、添乗員が日報などにより労働時間の確認が可能だということから、みなし労働時間制の適用が認められないという判断になったようです。近年の旅行業界は経営が厳しい状態にあり、添乗員の労働条件が目に余るほど悪化していることが、行政指導のきっかけになったとも考えられます。
 今後この制度の適用については、労働時間の把握が本当に困難なのか充分検討することが必要でしょう。



  みなし労働時間制が適用できない例

*グループで業務に従事し、メンバーに時間管理する者がいるとき

*あらかじめ具体的指示を受け、社外でそのとおり実施し、会社に戻るとき