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名ばかり管理職②
 昨年10月にコナカが店長を管理監督者から外してから、紳士服販売業界は一斉に右へ倣えをした。青山商事、AOKIホールディングス、はるやま商事。大手4社の店長は全員が残業代をもらえるようになった。
 過去の残業代についての対応は分かれた。「これまで管理監督者だった」との理由で払わない3社に対し、最大手の青山商事(広島県福山市)は今年4月、過去2年分の残業代総額12億円を退職者も含めて支払った。「厳密には『経営者と一体的な立場』という要件を満たさない」と判断したためだ。その結果、社員に占める管理監督者の割合は24%から3%に下がった。
 この見直しの背景には、東北の店長(32)による行動がある。
 マクドナルド店長の勝訴判決があった2日後の1月30日。この店長は宮城合同労組を訪れ、月の残業時間は60~120時間なのに残業代が出ないと訴えた。店舗の社員は店長含め2人で、昨年の休みは59日。店舗にもよるが店長は平均の1.5倍の売上高を求められる。年齢層は20代が中心で、「結局、体力勝負。自分の身は自分で守らなければ」。
 団体交渉で会社は、過去分の残業代支払いに同意した。ただし組合が計算した残業代549万円に対し、「役職手当に時間外手当分が含まれる」などとして137万円を提示。店長は4月、提訴に踏み切った。
 見直しで残業は許可制になった。業務量はほぼ同じなので、「かえってきつくなった」という声もある。役職手当も8万5千円から1万5千円に減ったが、5月の手取りは前月より6千円増えて22万円だった。
 「結果がプラスなのかマイナスなのか、自分でもまだよくわからない」。でも、週休2日が確保され、妻と1歳の子と向き合う時間は確実に増えた。(20.7.11 朝日新聞ー労働問題ー)