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従業員への就業規則の周知について
 従業員の方からよくある質問ですが、就業規則が備え置かれてはいるものの、じっくり閲覧できない。コピーも出来ない。このようなケースはままあります。本来なら、就業規則を作った以上は従業員に1部ずつ配布し、コピーも自由に認めるべきなのですが、これを義務づける明確な法律の規定は、今のところありません。早急に改善される必要があります。
 まず、今年3月に施行された労働契約法が、労働契約の内容について従業員の理解を深めるよう企業に義務づけています。
合理的な内容で従業員に周知されている就業規則ならば、そこに定められた内容が従業員の労働条件になると、労働契約法は規定しています。
問題は周知の程度です。職場にあるがじっくり読めない、こんな場合も含め、どのくらいの周知であれば十分なのか、過去の裁判でもまだはっきりと示されていません。
 周知として不十分と判断されれば、その就業規則の条項は従業員に対し効力を持たないとの結論もあり得ます。仮に効力が否定されなくとも、就業規則の内容について指導・教育するといった企業側の努力が足りなければ、それを棚に上げて就業規則をもとに懲戒など厳しい処分を科すのは権利濫用と判断される可能性は高まるでしょう。
 なお、休暇の申請や退職金の請求など、労働者のためになるような労働条件について就業規則を活用することは、周知が十分とはいえない場合でも可能です。(20.6.25 朝日新聞ー労働問題ー)