就業規則サポートNO1サイト

残業問題Q&A

年棒制を採用している場合の割り増し賃金の支払いは?

残業時間を計算するのに面倒なので15分か30分単位で四捨五入したいと考えています。問題ありますか?

1ヵ月の残業時間に上限を決めることはできないでしょうか?

振り替え休日した日に出勤した場合の取り扱いについては?

残業時間を労働者の自己申告制にしたいのですが?

当社では1時間単位でしか残業時間を認めていませんが問題ありますか?




年俸制を採用している場合の割り増し賃金の支払いは?

当社では、年俸制を採用しており、年俸額を12等分した金額を毎月支給しています。この場合、時間外労働手当等の割り増し賃金は、支払わなくても問題ないのでしょうか。

 

 
年俸制の労働者であっても、それだけで時間外労働手当等の割り増し賃金を支払わなくてよいわけではありません。ただし、その年俸制の労働者が、管理監督者に該当する場合には、時間外労働、休日労働の割り増し賃金の支払い義務はありません。

 労働基準法では、年俸制の場合に限りませんが、「監督もしくは管理の地位にある者」(管理監督者)に対しては、時間外労働、休日労働の規定は適用されないこととされています。年俸制は、管理監督者に対して適用されることが多いでしょうから、年俸制の労働者が、管理監督者に該当する場合には、時間外労働、休日労働の割り増し賃金の支払い義務はありません。
 ただし、管理監督者の場合であっても、深夜労働の割り増し賃金については、支払い義務があります。

 管理監督者とは、「一般的には、局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者の意であるが、名称にとらわれず出社退社等について厳格な制限を受けない者について実体的に判別すべき者であること」とされ、就業規則の規定や職制上の役付者であればすべてが管理監督者として認められるものではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様、賃金等の待遇面等から総合的に判断する必要があります。
 裁判などでは、かなり厳格に判断される傾向にありますので、管理監督者に該当するかどうかについては、注意する必要があります。

 年俸額に、あらかじめ時間外労働等の割り増し賃金部分を含めて支給する方法をとることがあります。それ自体は、違法ではありませんが、割り増し賃金部分が明確に区分されていることが必要となります。
 また、実際に行った時間外労働等の時間数が、あらかじめ定められた割増賃金部分に対応する時間外労働等の時間数を超える場合には、その超える部分について、別途、割増賃金を支払う必要があります。






残業時間を計算するのに面倒なので15分か30分単位で四舎五入したいと考えています。問題ありますか?
残業時間は1分単位で把握し、それに見合った残業手当を払わないと違反になるのですか。
賃金計算を簡便にするため15分単位あるいは30分単位で四舎五入することは認められないのですか。

 

 
時間外労働等の時間数の把握については、厳密に行うことが求められています
一方、割増賃金の計算に当たっての端数処理については、1時間当たりの賃金額に円未満の端数が生じた場合や時間外等の1ヶ月総労働時間数に1時間未満の端数がある場合に四捨五入することが認められています。
ただし、日々の時間外労働等の時間数を15分単位や30分単位で四捨五入することは認められておらず、切り上げだけが可能である。したがって、このような取り扱いに適合することが必要になります。




1ヵ月の残業時間に上限を決めることはできないでしょうか?
当社では、残業時間抑制のため、1月の残業時間に上限を設けて、社員がそれ以上に残業しても残業とは認めていません。
これを緩めれば、残業が益々増えることになります。
これからも続けたいのですが、労働基準法では何か問題がありますか

 

 
1月の時間外労働に上限を設けて、それ以上の時間外労働について時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとなります。重要なことは、業務のあり方や業務推進体制を見直し、時間外労働を減らすことです。




振り替え休日した日に出勤した場合の取り扱いについては?
当社では、振り替え休日の制度があり、休日を振り替えることが時々あります。
その後業務の都合で、振り替えられた休日に社員に出勤してもらわなければならない時がありますが、この場合には休日手当を支払わなければなりませんか?

 

 
振り替え休日の場合、振り替えられた休日が休日となり、当該休日には休日労働手当を支払わなければなりません。




残業時間を労働者の自己申告制にしたいのですが?
労働時間管理については、かなり手間が掛かることから、当社では残業について自己申告制にし、残業時間の申告や残業代の請求などを労働者自身に委ねたいと考えたいと考えています。
このほかに、手間の掛からない効率的な方法があったら、教えてください。

 

 
労働時間の管理をすべて労働者に委ねようとするやり方はサービス残業の温床となるもので認められません。
時間外労働や休日労働を適正に把握し、これに基づいて、時間外・休日労働手当を支払うことは使用者の義務になります。

*使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法の原則は、使用者が自ら現認するか、又はタイムカード、ICカード等の客間的な記録を基礎とするかのいずれかです。
 仮に始業・終業時刻の確認・記録の方法が自己申告によらざるを得ない場合には、正確な労働時間の申告・把握を阻害する要因、例えば、部署ごとに残業手当の予算が定められていたり、残業時間の削減に関する社内通達が申告時間の上限を定めたものであるとの暗黙の了解があったりするなどの場合には、その解消を図る必要があります。また、正確な申告を行ったことに対し、不利益を受けることのないような配慮も必要です。




当社では1時間単位でしか残業時間を認めていませんが問題ありますか?
当社では、残業時間について、1日1時間以上の残業をした場合に限って残業と認め、残業手当を支払っています。社員からは、特に不満の声は聞かれませんが、問題がありますか。

 

 
法定時間外労働については25%以上の割増賃金の支払いが義務づけられており、時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとして、労働基準法に違反します。
法定時間外に当たらない所定時間外に労働させた場合の賃金不払いについても同様です。

*法定時間外労働については、25%以上の割増賃金の支払いが使用者に義務づけられており、1日1時間以内の時間外労働について時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとして、労働基準法に違反します。
 なお、法定時間外に当たらない所定時間外に労働させた場合には、「原則として通常の労働時間の賃金を支払わなければならない。ただし、労働協約、就業規則等によって、その1時間に対して別に定められた賃金額がある場合にはその(別に定められた賃金額で差し支えない)」とされており、この賃金を支払わない場合にも賃金不払いとなります。